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ベランダ塗装をDIYしたい!その方法や注意点を解説します

ベランダ塗装をDIYしたい!その方法や注意点を解説します
ベランダに防水の塗装をしたい
DIYでコストを抑えたい

ベランダの防水工事は費用がかかるため、自分でやりたい気持ちはよくわかります。

この工事は難易度が高く、品質を確保しにくいため、DIYをするには注意するべき点もあります。
しかし、ウレタン防水であればDIYも不可能ではありません。

また防水工事が終わった後のトップコートの塗装であれば、DIYでもリスクが少ないため、初心者でも十分に対応できるでしょう。

この記事では防水の種類や特徴、実際に防水をDIYする方法について、詳しく説明します。

ベランダ防水の種類と特徴

ベランダ防水には、大まかにウレタン防水とFRP防水の2つがあります。
まずはそれぞれの防水工事の特徴についてご説明します。

ウレタン防水

ウレタン防水は、様々なところで使われることが多い防水です。
下地を選ばず、膨れが起こりにくいため、初心者でも扱いやすい防水だと言えるでしょう。

具体的なメリットは以下の通りです。

・ほとんどの下地で対応できる

・廃材が出にくい

ただしデメリットとしては以下のものがあります。

・均等に厚みを出すのが少し難しい

・経年劣化で亀裂が生じることがある

特に注意するべきなのは地震や経年劣化で亀裂が入ることです。
亀裂が入ってしまうと防水の役目が果たせなくなるため、早急な修繕が必要になります。

FRP防水

FRP防水は新築住宅の多くで採用されています.

FRPとは、「繊維強化プラスチック」の略で、衝撃に強いことが特徴です。
耐久性が高くベランダ防水以外にも、浄化槽や車の車体、バスタブなどに使われることも多い素材です。

このFRP防水は、以下のメリットがあります。

・軽量で建物にかかる負担が少ない

・衝撃に強い

・磨耗しにくい

・工期が短い

ただし、FRP防水には以下のデメリットもあります。

・紫外線に弱く、トップコートが剥がれると劣化が一気に進む

・木造で広い場合や鉄の下地では施工できない

・ウレタン塗装より難易度が高い

このようなデメリットがあるため、施工条件によっては選べないことがあります。

ウレタン防水をDIYする手順と必要物

DIYする手順と必要物

ウレタン防水をDIYする手順と必要物について見ていきましょう。

ウレタン防水で準備するもの

ウレタン防水で準備するべきものとしては以下のものがあります。

・マスキングテープ

・軍手(汚れやすいため、たくさんあるとよい)

・ハケ(細めと厚め2種類あるとよい)

・ローラー(交換用のものも準備する)

・計り(ある程度重量が図れるもの)

・ヘラ(金属のもの)

・ワイヤーブラシ

・プライマー

・シンナー

・主剤

・硬化剤

・ブルーシート

・バケツ(最低3つ)

ウレタン防水は汚れやすいため、作業場にする場所にブルーシートなどの養生をしっかりしておくことが大切です。

ウレタン防水の作業手順

ウレタン防水の作業手順は大まかに以下の手順で進みます。

step
1
作業場の準備

step
2
掃除

step
3
下地処理

step
4
下塗り

step
5
中塗り・上塗り

ではこれらの手順に沿って詳しくやり方を紹介します。

作業場の準備

ウレタン防水を行う時には最初に作業場の準備をするようにしましょう。

作業場にブルーシートを敷いて汚れないようにしておかなければいけません。
一度汚れが床などに付着しておくとかなり落とすのが難しいです。
}また防水材料やシンナーの缶などの下には段ボールなど厚手のものでカバーしておくとより安心です。

掃除

次に、掃除です。

床面の状態は見た目だけではなく、防水性能に非常に大きく関わるため、チリをほぼ残さないくらいの気持ちで行いましょう。
またエアコンの室外機などがあると、防水工事ができなくなるため、動かしておくか、宙に浮かせるとよいでしょう。

下地処理

掃除が終わったら、下地処理です。

下地処理では既存の浮いている防水や剥がれかかっている防水をヘラや高圧洗浄機で削ぎ落としていきます。
この処理が甘いと、防水後に剥離し、作業品質が確保されません。

ワイヤーブラシでしっかりと削っておくと、密着性がよくなり、防水性能が高まりますよ。

コンクリート下地でひび割れがある場合にはコーキングで補修を行います。
下地処理が終わった段階でもゴミが発生しますので、掃除を忘れないようにしましょう。

この段階でマスキングテープで養生をしてください。

下塗り

下塗りでは、まずプライマー塗料を塗布していきます。
このプライマーは中塗り、上塗りの密着性を高める効果があるため、もれなくしっかりと塗っていきましょう。
このとき濡れていると、施工不良が起きるため、必ず乾いていることを確認してから始めてください。

壁の部分を立ち上がりと言いますが、立ち上がり部分も忘れずに行いましょう。
大きな部分はローラーで、ローラーが通らない部分はハケで仕上げます。

塗った部分は通れなくなるため、まずは刷毛で細かい部分を塗布してから、ローラーで塗っていくのがおすすめです。

使用する材料によってはそれぞれの材料を混ぜ合わせて攪拌しなければいけない場合もあります。

このときプライマーは厚みを気にする必要はありません。

塗り終わったら、乾燥するまで待ちます。
季節にもよりますが、1時間程度が目安になるでしょう。

中塗り・上塗り・トップコート

下塗りが完了して十分に乾燥したら、中塗り、上塗りを行なっていきます。

ウレタン塗料は主剤と硬化剤という2種類の液体を混ぜ合わせる2液系のものが多いです。
まずはそれぞれの缶を逆さにしてよく混ぜ合わせてから、それぞれの材料を混ぜましょう。

実際に混ぜた後でも、よく攪拌させてください。

また材料の比率は決まっているため、必ず分量を計ってから行いましょう。
比率を間違えると硬化不良の原因になり、失敗の原因になります。

また一度混ぜ合わせると硬化が始まるため、一度に使い切れる量混ぜるようにしてください。

それが終われば、塗装開始です。

下塗りと同様に刷毛で細かい部分を、大部分をローラーで行うと効果的です。
このとき、プライマーで使ったローラーではなく、別のローラーに交換してから行なってください。
また厚みが十分にないと、防水性が発揮されないため、薄く塗るのではなく、ある程度厚みを持たせて塗るようにしてください。

中塗りが終わったら、乾燥させ同じ材料で上塗りを行います。
上塗りまで行なってしっかりと厚みを持たせることで、防水性能が確保されます。

上塗りが終わればトップコートを塗布しましょう。
トップコートの塗布の手順も下塗りと変わりません。
ただし、中塗りや上塗りのように厚みは気にしなくても大丈夫です。

2回塗りで仕上げましょう。

トップコートの再塗装も可能

トップコートは紫外線を防ぐ役割があり、ウレタン防水の耐用年数に大きく関わっています。
このトップコートが劣化すると、防水本体の劣化が一気に進むため、トップコートの劣化が始まる前に再塗装をすると、防水が長持ちしますよ。

トップコートの塗装は、防水本体工事と比べると、気をつけるべき点が少なく、失敗してもトラブルになりにくいです。

「DIYで失敗しないか不安」という方は、本体工事は防水職人に任せ、トップコートだけDIYするのもおすすめですよ。

FRP防水のDIYは非常に危険なため非推奨

FRP防水のDIYは非常に危険なため非推奨

FRP防水のDIYは危険性が高く、とてもおすすめできません。

その理由は2つあります。

・お金をもらって工事をするには免許が必要

・失敗や火災につながるリスクが高い

FRP防水は材料で注意するべき点が多く、扱い方を間違えると失敗や場合によっては火事に発展することがある危険な材料です。
そのため、職人などが施工する場合には免許が必要になっています。

DIYで行う場合には免許は不要ですが、それでも危険であることには変わりがありません。

「コストを安くしたいからDIYしたい」という気持ちはよくわかりますが、FRP防水の場合にはそれはやめた方がよいでしょう。

FRPでもトップコートだけの塗装なら可能

FRP防水工事は難易度が高く、おすすめできる工事ではありませんが、トップコートの塗装だけなら、DIYでも十分に作業可能です。

・作業場の準備

・掃除

・下地処理

・下塗り

・上塗り

作業手順はウレタン防水と塗る塗料や回数が違うだけで、作業の注意点も変わりません。
こちらであればDIY可能なので、5〜10年経過したものでメンテナンスしたい場合にはぜひ自分でやってみましょう。

防水の注意点

防水工事には注意するべき点があります。
その注意点を守らなければ、防水機能が十分に発揮されない場合や、仕様書通りの耐久性が発揮されないことも。
そのため、以下の注意点を必ず守って施工してください。

厚みは均一に

防水工事を行う時には厚みを必ず規定通りに揃えましょう。
厚みが異なると、乾燥に時間がかかり、また浮きや剥がれの原因になることがあります。

退路を考えて塗る順番を考える

防水工事をDIYする時には必ず退路のことを考えましょう。
下塗り・中塗り・上塗り・トップコートどの段階でも、一度塗装したら、乾燥するまでは足で踏むことができません。
そのため、あらかじめどこから塗り始めて、どうやってその場から離れるか、考えた上で塗装する手順を決めましょう。

施工不良は見た目ではわかりにくい

ウレタン防水の施工不良は見た目ではわかりにくいものです。
施工不良を起こさない注意点の例としては以下のものがあります。

・ゴミやホコリが付着していない

・プライマーが漏れなく塗られている

・厚みが均一である

・主剤と硬化剤の比率が適正である

これらの手順をしっかり守らなければ、施工不良のつながるのですが、見た目にはわかりづらいこともあります。

自分で判断できるかどうか不安な場合には、トップコートの塗装だけにとどめ、メインの工事は防水業者に任せましょう。

ベランダ防水のDIYは丁寧に!

この記事ではベランダ防水の種類や作業手順、注意点について解説しました。

防水工事は適切に行わないと耐用年数に大きく関わる工事です。
そのため防水層からDIYを行う場合には、くれぐれも慎重に作業するようにしましょう。
ただしトップコートだけの塗装であれば、トラブルに発展しにくく初心者でも十分に作業できる範囲です。

この記事を見て、ぜひベランダ防水のDIYにチャレンジしてみてください。

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